Trados操作において、用語ベースの訳語を使用する際に、何をソースにしてこの用語を用語ベースに入れたのだっただろう?と振り返ることってないですか?
このときに、各用語にメモが書き込めたら、一瞬でソース元が分かりとても便利に思われます。
これまでは、私は、どうしてメモ書きしておきたい用語に関しては、その用語の後ろに括弧がきで、注意メモを入れてました。
例えば ●●(〇〇の場合) ●●(出典:〇〇ただし、もう少し調査必要)などなど。
でも、これだと、せっかく用語ベースにある単語を、翻訳エディターフィールドに挿入できても、その余分なメモを消さなくてはならず、ひいては余分な文字や記号が入ったまま消し忘れ、誤訳になる可能性があります。
- メモを用語に残したい
- 翻訳フィールドに余分なメモは残したくない。
この2点を解決できる、用語ベースの設定方法を今日はご紹介したいと思います。
使い方次第では、自分好みに用語ベースをカスタマイズでき、翻訳作業がさらに楽しくなること間違いありません!
是非、試してみてくださいね。
Tradosの使い方・メモ付きオリジナル用語ベースの設定方法
まず初めに、どのような出来上がりになるのかを確認してイメージを持っていただいて、
その後に、具体的な操作方法を説明していきます。
出来上がり図
出来上がりはこんな感じです。
用語の上(Indexレベルフィールド)に、「取集元」。
用語の下(用語レベルフィールド)に「メモ」。
というフィールドを作りました。
ちょっと聞きなれない用語もあるとは思いますが、手順を追っていくうちに理解できると思うのでこのまま読み進めてください。
手順
新規の用語ベースを作成
SDL Multi Termを開く ⇒ 用語ベースの作成
任意の場所に任意の名前を入力して保存。「次へ」
「新規用語ベース定義を一から作成を選択」 ⇒ 「次へ」
「任意の名前の用語ベースを入力」⇒「OK」
言語を選択して入力
フィールド名の入力
フィールド名に「収取元」と入力して、追加
「メモ」と入力して追加
⇒説明フィールドに「収集元」「メモ」と表示されているのを確認したら「次へ」
エントリ構造の入力
エントリ構造内の「Index level」を選択し、使用可能な説明フィールドから収集元を選択⇒追加をクリック。
同じように、エントリ構造内の「用語レベル」を選択し、使用可能説明フィールドから「メモ」を選択 ⇒ 追加をクリック⇒次へ
そのまま指示に従って、用語ベースの作成を終了です。
用語を入力してみる
今回は、この辞書の、
この用語を入力します。
Multi Termの、新しく追加をクリック。
用語の追加を英語側、日本語側それぞれ行います。
次に、日本語側の用語の上の属性の追加を右クリックしてプルダウンすると、先ほど登録した「収集元」が表示されるので選択します。ここがIndexフィールドになります。
Indexフィールドに、自分が記入しておきたいメモなどを入力します。
用語の下の「属性の追加」を右クリックしてプルダウンすると、「メモ」が表示されます。この部分が用語レベルフィールドということになります。
こちらにも、自分の残したいメモを記入します。
訳語が二つある場合でも、用語レベルのフィールドは各訳語ごとにメモを記入することができます。
作成した用語ベースの設定のテンプレートを残す
Multi Termの左上「ファイル」を選択し「設定テンプレート」を選択⇒設定テンプレートのエクスポートをクリックして任意の場所に、テンプレートを保存します。
「.sdlmttpl」というファイル形式のテンプレートファイルができます。
次に新しく用語ベースを作成する場合に、「.sdlmttpl」形式のこのテンプレートを使って、同じ設定の用語ベースが作成できます。
新規用語ベース作成時に「既存の用語ベース定義ファイルを読み込み」を選択して、先ほどエクスポートした設定テンプレートを選択します。
翻訳エディタ上の用語検索でのフィールドの表示方法
さて、せっかく作成したカスタマイズ用語ベースですが、そのまま読み込ませただけでは、翻訳エディタ上の用語検索で、登録したフィールドのメモなどは表示されません。
表示させるためには、用語検索に表示された用語を選択して右クリック⇒「検索結果の設定」をプルダウンして選択⇒「フィールドを選択」⇒「OK」
※↑↑↑この画像は既に設定設定済みなので、フィールド内に登録したメモが表示されています。設定前は、原語と訳語のみの表示になってます。
「フィールド選択画面」に表示された、「収集元」と「メモ」を選択⇒OK
※お好みで、原語側の収集元、メモを選択することも可能です。
この設定で、フィールドのメモが表示されるようになります。
まとめ
ということで、メモ付き用語ベースの作成方法を解説させていただきました。
初めにどのようなメモをどのフィールドに入れるかなど、ルール決めをしておくと、自分好みに用語ベースを整理することが可能になります。
テンプレートを作ってしまえば、新しく用語ベースを作成する場合も、簡単サクサク作業をすすめることもできて用語ベースをさらに有効活用できること間違いなし!!
是非是非、試してみてくださいね。