2020年にサービスの実用開始が予定されている5G(第5世代移動通信システム)。
新しい無線通信サービスということで、特許出願も多く、
翻訳に関してもニーズの多い分野のようです。
実際に、わたくしもこれまで5Gに関する特許翻訳の案件を数件いただいています。
これまで翻訳にあたって、背景知識の構築には、企業のHP、業界紙、本をいくつか参考にしましたが、本日はその中で、これは購入して良かったなーと思う本を3冊紹介します。
前提として
おすすめ本の紹介の前に、まずは前提として、で、5Gってどんなもの?
という、大きな枠組みを理解するには、
携帯電話会社のメジャー企業、NTTdocomo、KDDIのホームページが非常にわかりやすいです。
NTTdocomo https://www.nttdocomo.co.jp/special_contents/5g/about5g/
KDDI https://www.au.com/mobile/area/5g/
このような、末端のユーザーレベルでの背景を抑えたうえで、
以下のオススメ本に手を付けるとより理解が進みます。
オススメ本3選
5G教科書 ― LTE/ IoTから5Gまで
まず1冊目は、「インプレス標準教科書シリーズ 5G教科書 ― LTE/ IoTから5Gまで」
本のタイトルそのまま5Gの技術に関する専門書ですが、
5Gは、5th Generationの略。
第5世代移動通信システムは、これまでに第1世代からの歴史を経て、
これまでの技術の上に成り立つ技術、5Gのことだけをかいつまんでも、
深く知識を深めることは難しい。
その点、この本では、1Gからの技術についての説明が丁寧にされていて、
そもそも、無線通信システムが何なのかということを体系的に学ぶことができます。
また、4G(LTE)と5Gとの違い、課題になっていることなど、
無線通信システムについての全体像を把握するのに大変役立ちました。
キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
無線通信システムに関連する明細書をいくつか読んだ際に、多かれ少なかれプログラミングに関する知識も必要なことがわかり、
元SEの受講生の方に、お伺いしてオススメしていただいた本です。
基本情報技術者試験を対象とした本ですが、
本のタイトルの通りイラストが多く、
初学者の私でも、入りやすく大変わかりやすいです。
例えば、2進数、10進数などのn進数が何なのか?データとは?ビットとは?というプログラミングに関する概念整理に非常に役立ちました。
ネットワークエンジニアの必須科目
3冊目は、「CompTIA認定資格」向けの教科書。
ネットワーク技術に携わる職種において、実務上必須とされる実務能力を評価する認定資格のテキストです。
その認定資格を受けるのが目的ではないですが、
テキスト(教科書)だけあって、
ネットワーキングの基本的な概念から体系的に必要要素が説明されているのと、
挿絵や表はわかりやすくまとめられています。
企業のHPから、そのほかの本から得た情報を、
この本を通して、もう一度おさらいし、補足情報と合わせて
整理しながら学習作業を進めるためにオススメしたい本です。
おまけ
上記の3冊以外に、オススメなのは、
専門情報誌「テレコミュニケーション」
https://www.telecomi.biz/index.html
月刊誌で定期購読も可能ですし、自分の興味のあるものだけ、バックナンバーから選択して購入可能です。
5Gの関連する技術の活用の対象となる、分野や企業、市場動向を知るために、非常に有効な情報誌です。
また、技術的な情報を得るのに特化しているのが、NTT技術ジャーナル
https://www.ntt.co.jp/journal/backnumber.html
こちらは無料でダウンロードでき、内容は技術者向けのものが多く、
例えば、上記に挙げたオススメ本の知識を多少でも持っていないと、
初めはわかりにくい内容が多いですが、
実際に、特許出願されているのは新しい技術であり、
検索してもあまり出てこない技術的な情報も、NTT技術ジャーナルで説明されていることが多く、
実際に、5G関連の案件を受ける時に参考になることが多いです。
まとめ
ということで、無線通信技術関連に関する本を紹介させていただきましたが、
インターネットでもある程度情報をとれますが、
やはり、専門書で体系的に学習することは、
知識をよりソリッドなものにするためには必須。
5G・無線通信に関する学習をしたいけど、
どんな本が良いのか?と思われている方の参考になれば幸いです。