得意の語学を生かした仕事をしたい。
翻訳者になりたいけどどうしたら?
翻訳講座はどんな講座がいいのだろうか?
実際に翻訳で稼いでいけるの?
翻訳という職業に一度でも興味をもった方であれば、上記のような疑問が沸くのではないのでしょうか?
そのような方の疑問をもって、翻訳講座を探したり、学習の仕方を考えている方に、まずは初めに是非読むことをオススメしたい本が、「翻訳とは何か 職業としての翻訳」です。
この本は、長年、出版翻訳と産業翻訳にたずさわっている山岡洋一氏の著書ですが、山岡氏の経験を通しての翻訳向上の技術、市場、翻訳者への道などが具体的に記載されています。
また、翻訳とは何かを理解するために、翻訳の歴史についても解説されていて、これから翻訳者になりたい方のみならず、すでに翻訳の仕事をされている方にも、自身の翻訳に対する心構え、これからの目標設定などを見直すきっかけにもなります。
今回は「翻訳とは何か・職業としての翻訳」を読むことで得られること。
そして、翻訳未経験~特許翻訳案件を頂くようになった、私の簡単な翻訳者への道程を記載しているので、1つケースとして参考にしてください。
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「翻訳とは何か」を読むことで得られること
- 翻訳者になりたい場合に、どのような心構えが必要かがわかる
- 翻訳という仕事がどういうものかをイメージすることができる
- 翻訳技術の向上のためのヒントを知ることができる
翻訳者になりたい場合に、どのような心構えが必要かがわかる
この本を通した1つの大きなメッセージとは「翻訳は簡単な仕事ではない」ということです。
そのようなことを言ってしまうと、「え?私には無理?」と諦めてしまいそうになるかもしれませんが、
視点を変えると、「翻訳は簡単な仕事ではない」けれど、その簡単ではない仕事を身に付けることは、とても誇り高いものであり、常に向上心を持って挑み続けることができる、やりがいのある仕事ともいえます。
この本の中の前半部分に、翻訳の歴史についての説明がありますが、歴史上の翻訳者達は、命がけで翻訳作業をしたり、自分に課した使命を全うするように翻訳に打ち込んでいたことを知ることができます。
いずれにしても、原文の内容を理解し、それを他の言語を使う人たちに伝える橋渡しをする「翻訳」という仕事は、原文の裏側に流れる背景、両方の言語の性格・特徴を、しっかりと理解していなければ、原文の意図を伝えることはできません。
原文に書かれている内容を読者に伝える責任を引き受けたわけだから、わからないではすまされない。
ある訳文を書いたときに読者がどう反応するのかがわからなければ、翻訳はできない。
つまり、読者をよくよく理解していなければ、翻訳はできない。
といった、山岡氏のメッセージから、翻訳とはどういうもので、どのような責任を負うことになるのかを理解することができます。
翻訳という仕事がどういうものかをイメージすることができる
翻訳者を目指す1つの理由として、在宅で仕事をしたい。と思われる方も多いのではないのでしょうか?
「第6章・職業としての翻訳」では、在宅勤務の実際を、山岡氏の経験から述べられています。特にこれから在宅翻訳者になりたいと考えている方には、将来的に起こりうる在宅ならではのデメリットも考察にいれて将来設計をすることができます。
山岡氏の経験だけではなく、すでに翻訳の仕事に携わっている方も、この章では家事と仕事のバランスについて葛藤に関して大きく頷くことが多いと思われますが、
その葛藤は、翻訳者個人の悩みではなく、ほぼ共通した悩みとしてとらえることができ、また、その中でも翻訳の仕事を遂行している方もいることが分かれば励みにもなります。
自分が今から目指そうという職業が、実際の生活でどのような影響を及ぼすのか、またはどのような環境で翻訳者が翻訳をしているのか、リアルな現状を知ることで、今一度、自分の選択肢を再確認することができます。
何か新しいことを選択、挑戦するのであれば、行く先の状態を知ることは有益な情報となり、人生の中の「時間」という資源を無駄にすることを回避することができます。
翻訳技術の向上のためのヒントを知ることができる
翻訳者になりたいと志した場合、翻訳講座に入るという選択をする方がほんとんではないのでしょうか?
どの翻訳講座も、それなりにお金がかかります。
できることなら、実際に翻訳者として生計を立てるための基礎を作れる翻訳講座を選びたいものです。
ただの英語学習の延長では、とても翻訳者になる道には到達できない。経験的にそれを理解している学習者の方も多いと思います。
なぜ、翻訳学校にいくのかと、翻訳学習者に質問すると、自分の翻訳を添削してもらえるから・・・・・・。
一流の翻訳を読み、一流の翻訳を真似ることを心掛ければ、翻訳学校に行くまでもないことに気づくはずだ。
と、山岡氏は添削方式の翻訳講座に対して言及されています。
このことも踏まえ、第3章 翻訳の技術では、
- 英文和訳の技術と翻訳の技術の違い
- 外国語を読む技術
- 内容を理解する技術
- 日本語を書く技術
など、具体的にどう学習すべきかが記載されています。
これを全て独学でとなると、大変難しいと思いますが、
少なくとも、添削だけではなく、この第3章に記載されている技術に関する習得の仕方を教えている講座はないか?といった視点を持つことができます。
安易に、「〇カ月であなたも▲▲になれる。」「だれでも、簡単!」などと、謳っている講座に飛びついて、肝心な技術を学べないのであれば、将来の目標が遠のくばかりが、限りある時間を無駄にしかねません。
まずは、この第3章のやり方を具体的に模索してみる。そのうえで、講座選びを慎重にされることを強くオススメしたいです。
翻訳者への道筋・実際例
わたしも翻訳者になれるかしら?と迷われている方に申し上げたいのは、
「必要な学習を必要な時間だけすれば可能」です。
ただし、
- 「楽な道ではない」
- 「できればメンターを付けた方がいいです」
- 「苦労した分、得られるものは大きい」
ことを補足します。
翻訳未経験から、現在、特許翻訳のお仕事を頂いていますが、わたしの場合は「レバレッジ特許翻訳講座」を受講しました。
「レバレッジ特許翻訳講座」の一部の内容は、「翻訳とは何か 職業としての翻訳」の「第3章・翻訳の技術」に記載されている内容の、実践方法を網羅しています。
ここで、具体的にどのような流れで学習を進めていったかをまとめると、
- 物理・化学の学習(学習の仕方を同時に学ぶ)
- 分野を決めて背景知識の学習(背景知識の身に着け方も同時に学習)
- 公開されている特許出願明細書の原文と訳文を照らし合わせて学習(原文の言語、訳文の言語に関する学習。)
- 翻訳会社に履歴書を送ってトライアルを受ける➡不合格のトライアルから、不合格理由を洗い出して、分析、改善➡別の翻訳会社のトライアルを受ける。
- 実際にお仕事を頂くようになる。
わたしが、「翻訳とは何か 職業としての翻訳」を読んだのは、講座を受講して、翻訳会社からお仕事を頂くようになってからでしたので、「第3章の翻訳の技術」を読むことで、講座の内容と、講座で教えられた翻訳の本質を再確認することになりました。
総じて言えるのは、「翻訳=背景知識+読み解く力+表現する力」であり、また、それぞれの段階を着実に身に付けるための学習の仕方は応用性の高いものです。
この「応用性の高い学習方法」と、背景知識、読み解く力、表現する力の具体的な身に着け方を「レバレッジ特許翻訳講座」で学ぶことができました。
この体験を経てから「翻訳とは何か」を読みましたが、山岡氏の一文、一文を噛みしめて、今後も自身をもっと向上させていきたい。
そして、自分が翻訳という職業に携わっていることに誇りを持つことができました。
これから翻訳を目指している方にもオススメしたい本ですが、
現在、翻訳のお仕事頂いている方にもオススメの本です。
まとめ
本日は「翻訳とは何か・職業としての翻訳」についてブックレビューしました。
「翻訳とは何か・職業としての翻訳」を読むことで、
- 翻訳者になりたい場合に、どのような心構えが必要かがわかる。
- 翻訳という仕事がどういうものかをイメージすることができる。
- 翻訳技術の向上のためのヒントを知ることができる。
是非、「翻訳とは何か・職業としての翻訳」を手に取って読んでみてください。