半導体

アッシング装置

今週はアッシングに関する明細書の読み込み、知識の補充をしています。

アッシングは、半導体プロセスのリソグラフィプロセス中のエッチングの後に行われる工程で、

目的はエッチング後のレジストマスクの除去。

”ashing”のash=灰で「灰化」するを意味する。

基本原理は酸素プラズマを発生させて、酸素ラジカルでレジストの有機成分を燃焼させる。ですが、

アッシングを速やかに行うために、装置にいろいろな工夫や技術が施されていて、読んだ特許明細書のどの技術もとても興味深い物でした。

中でも、アッシング装置に送り込むガスの注入の仕方で、なるべく均一にラジカルによるレジストへの反応を促進する工夫は、縦方向に上から送りこむものまあれば、横方向で、強い気流と、弱い気流を交互に流して、反応生成物である炭酸ガスを除去して、新たに酸素ガスを流すものなど、着眼する視点が異なり、構造が異なる様々な種類のものが開発されています。

例えば、縦方向に酸素ガスを流す装置は、

特開2013-26399
日立ハイテクノロジーズ
プラズマ処理方法及びプラズマアッシング装置

図の矢印が上から下に向かって描かれているのがガスの流れですが、ガス流入口のすぐ下にバッフル板という板をつけてガスをチャンバのなるべく内壁近くを通るようにし、チャンバの側面に設置された高周波が流れるコイルのすぐ近くを通て、高密度のプラズマを発生させる。

高密度のプラズマを発生させるだけでなく、高さでガスの移動距離を取ることで下方に行くほど均一な密度となりレジストに届く。⇒レジストが均一に灰化されることになる。

次は、横方向にガスを流すタイプのアッシング装置は、

特開2015-119015
ウシオ電機株式会社
アッシング装置およびアッシング方法

この装置は、右から左へ、ウェハの上部を横方向に酸素ガスが流れる。プラズマの発生には上部から紫外光をあてる(図の〇4が紫外光)。ただし、酸素ラジカルと、有機物の副生成物となる炭素ガスが下方に溜まり、レジストの分解を抑制してしまう。これを解消するために、流量を大きくしたガスを流し込み、炭素ガスを一掃 ⇒ また通常の流量でアッシングする。の繰り返しを行う。

 

原理を説明してしまうと、すごく簡単に見えてしまいますが、例えば縦型にガスを流すタイプの装置は、ウェハまでに届くガスが均一になるための高さの微細な計測だったり、横方向にガスを流すタイプも、流量の大きさの最適化を計測したりするのには、膨大な時間がかかると、予測されます。

そう思うと、実物をみたら、「かっちょえー!」って感動してしまいそうです。

また、近年は多層配線構造によるlow k膜に影響を及ぼさない、アッシングの方法の研究が盛んにおこなわれているようです。

low k膜は低誘電体の薄膜でとても繊細な層となり、アッシングやエッチングなどで、損傷を受けると誘電率が変化してしまい、配線不良などを起こす原因となる。

ここは削りたいけど、ここは削りたくない。その微妙な境を研究していくって、考察と辛抱の塊ですね。

学習記録 9/17-9/19

2753_英語力だけでは明細書読解は不可能
2756_講座受講生ブログへのコメント
2755_最高の勉強法

ドライエッチング対訳
アッシングに関する明細書読み4件
アッシング対訳

プラズマに関するノート作成

ローラマウスとキーボード

昨日、念願のローラマウスとキーボードが手元に来ました。

早速、パソコンに設置して使用開始。

キーボード、なんとも言えない、ヌメリ感を感じます。(良い意味です)。

ローラマウス、マウスのコピーペーストが手をあまり動かすことなくできることに感動がありつつも、ポインターを動かす部分が慣れが必要そうです。スピードの調整等をしながら快適ゾーンを見つけていこうと思います。

1週間ほどしたら、また感想をアップデートします。

ニューアイテムが手に入って、テンション高めです。

さて、本日もこれより格闘開始。

悔いのない一日を!

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