学習記

バッテリー補充液が精製水な訳

岡野の化学で電池と電池分解の講の学習中。

鉛蓄電池から自動車のバッテリーの構造をノートにまとめていて、以前、自動車関係の仕事に携わっていた時に、バッテリー補充液は精製水ということは知っていたが、同時にバッテリー内のバッテリー液は危ないから触っては危険だという矛盾を少し疑問に感じつつもそのままなぜかを追求したことはなかったをふと思い出し、バッテリーの仕組みとバッテリー液のついてまとめ。

バッテリーの電解液は希硫酸(H₂SO₄)、電極はプラス極に二酸化鉛(PbO2)、マイナス極共に鉛(Pb)。

負極での反応(酸化反応)は、 Pb+SO₄²⁻⇒PbSO₄+2e⁻

正極での反応(還元反応)は、 PbO₂+4H⁺+SO₄²⁻+2e⁻⇒PbSO₄+2H₂O

自動車のバッテリーのバッテリー液(電解液:希硫酸)は正極で還元反応によって生じた溶液中の水によって濃度が保たれているが、過充電が起こると、水素、酸素ガスに水が分解され、硫酸の濃度が濃くなる。

 

ここで、硫酸の性質を整理してみると、

硫酸は不揮発性でであるが、硫酸の溶媒である水は蒸発し、濃縮されどんどん濃度の濃い硫酸になっていく。

希硫酸と濃硫酸には性質の違いがあり、

水の多い希硫酸のほうが電離度が高いので強酸

濃硫酸は硫酸の濃度が濃く水が少なく電離できる量が希硫酸より少なくなるので強酸ではない。

言葉からのイメージでは、濃硫酸の方が希硫酸にくらべて、濃⇒強いとイメージされるが、

酸性の強弱は電離度が関係し、

希硫酸と濃硫酸では、

水の多い希硫酸のほうが電離度が高いので強酸、

濃硫酸は硫酸の濃度が濃く水が少なく電離できる量が希硫酸より少ない。

参考

希硫酸,濃硫酸,熱濃硫酸の違いと7つの性質

 

ここで、再び、バッテーリーに戻って、電解液の水素、酸素がガスとなって蒸発してしまうと、硫酸の濃度が濃くなり電離度が下がり、放電できる量が少なくなる。この為、バッテリー補充液(精製水)を補充することで、バッテリー液の電離度を調整(電離度を上げる)ことができる。

このほかにも、バッテリー液が少ない状態で極板が長時間空気に触れると痛む可能性があるので、バッテリー補充液のを補充が必要となる。

バッテリーの外面には、UPPERLEVELとLOWERLEVELという表示があり、この範囲内でバッテリー補充液を補充する必要がある。UPPERLEVELを超えてしまうと、液漏れの原因となる。

学習記 4/18-4/21

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